初めての彼女、そして結婚

就職してから数年、友人の紹介で、ついに私にも彼女ができました。
(何を勘違いしたのか)私を気に入ってくれたようで、私としてはまさに棚ぼたでした。
 
初めてできた彼女は、 4つ年下のかわいい系の女の子でした。
 
しかし、付き合い始めてから3ヶ月経っても、 手汗が気になるあまり一向に距離が縮まりません。
 
キスはおろか、手をつなぐなどもっての他です。(普通逆ですよね)
 
しかも、デートすればするほど彼女のことが好きになり、 デート中は手汗の量もハンパじゃありませんでした。
そしてある日、ついに私の手汗の秘密がバレる日がやってきました。
 
夜、ご飯を食べにいこうと歩いていると、突然彼女が手をつなごうとしてきたのです。
 
とっさに、無意識に私は彼女の手を振り払っていました。
 
これは、手汗で悩む方なら無意識にしてしまう一種の拒否反応です。
(本当は嬉しいんですけど、身体が反応してしまうのです)
 
しかし次の瞬間、彼女が死ぬほど悲しい顔になったのを今でもハッキリ覚えています。
 
半分潤んだ目で「私のことキライ?」と聞かれ、 フラれることを覚悟で、 自分がひどい手汗で悩んでいることを告白しました。
 
また気持ち悪がられる・・・・。
 
これで終わった・・・・。
 
しかし――。
 
彼女の反応は、
 
なんと、
 
「かわいい〜」だったのです。
 
気にしないからということで、手をつないで歩きましたが、 恥ずかしいのと緊張で私の手からは大量の手汗が噴出し、 やがてつないだ手から汗がしたたり落ちていました。
 

それから数年後、私は彼女と結婚しました。
 
お金が無いという理由から、両親を呼ぶだけの超ジミ婚でしたが、 実はできるだけ披露宴で他人と握手をしたくないというのが私の本音でした。
こんなの本当に手汗症で悩む人しかわかりませんよね。
 
結婚しても手汗は相変わらずでしたが、私は幸せでした。 私の病的な手汗を認めてくれるパートナーがいるだけで、 彼女と一緒にいるときは普段より手汗の量は明らかに少なくなっていました。
 
やがて子供が出来、妻の愛情はすべて子供に注がれ、私が彼女に触ろうものなら、
 
「もう、汗でベタベタした手でさわんないでよ!あんたの手、気持ち悪いのよ!!」
 
といわれる始末。
 
すべての女性がこうなるとは限りませんが、確率は高いです。
 
結局、愛情がなくなれば、 私は手のひらが汗でベタベタした、気持悪い中年オヤジに過ぎないのです。
 
信用していたパートナーから、最も気にしていることを言われたショックと悲しみで、 かなり落ち込みました。
 
正直、彼女を憎みました。
 
しかし、彼女に罪はありません。
 
本当のことなのです。 この元凶は、やはり「手汗」なのです。

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